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殉教

殉教者は、当時の全信徒数にして、1パーセントにも満たないそうです。大半は厳しい拷問の末に棄教したか、潜伏の道を選びました。

殉教者の大部分は信徒であり、キリシタン時代に禁教令や迫害がなかったら、おそらく、ごく普通の庶民として平和な生涯を送り、歴史の中に埋没していった人びとでしょう。彼らは英雄や勝利者として行動したのではありません。ただ神との間に、きわめて密接な関係を築くことができた人びとです。だから自分たちの時代背景の中で、殉教という実を結んだのです。「殉教」に通じる神との密接な関係を深めることは、時代を超えて教会に求められる基本的な生き方であります。

ペトロカスイ岐部も他の殉教者も、それぞれ神を信じ、死を以て各々の信仰を守ったのです。